松尾学術振興財団は、我が国の基礎学術の向上と発展に寄与することを目指し、松尾重子氏の出捐により、松尾重子氏、宅間慶子氏、宅間宏氏が発起人となり、昭和63年(1988年)11月24日に創設されました。

基礎学術の向上と発展につながる若手人材育成を目指し、自然科学分野では、原子分子物理学と量子エレクトロニクスの研究に重点を置き、高い研究実績を有する研究者で構成される選考委員会における厳正な審査に基づき、業績の顕著な研究者に「松尾財団宅間宏記念学術賞」を贈呈するとともに、「松尾学術研究助成」として若手研究者に研究費を贈呈しています。一方音楽分野では、若手の弦楽四重奏団育成を目的として、国内外で活動をされている高名な演奏家で構成される選考会で選ばれた四重奏団に対し、「松尾音楽助成」を贈呈しています。助成を受けた四重奏団が一年後に研修成果を発表する場として、毎年春に「マツオコンサート」を一般公開で開催しており、若手クアルテットの演奏を多くの音楽愛好家が楽しみにされています。

当財団は設立38年になり、これまでに学術賞を受賞された方々、松尾学術研究助成および松尾音楽助成を受けられた多くの研究者、演奏家が、我が国の基礎科学および音楽分野の中核を担っておられます。なお当財団では、自然科学研究の価値を自然科学と人文科学の両面から正しく評価する基盤の確立と向上に資するための調査研究とその成果の提言に関する事業も行い、成果を松尾研究会報として刊行しています。

近年の変化の激しい時代において、基礎学術の重要性が、改めて認識されるようになっております。基礎学術の向上と発展を目指す松尾学術振興財団として、歴代理事長の宅間宏氏、宅間慶子氏が構築された基盤を強化し、科学あるいは音楽に優れた才能と強い意志を持つ若手研究者および若手音楽家を支援し、我が国学術の発展に貢献して参ります。皆様のご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

令和8年4月

公益財団法人 松尾学術振興財団

理事長 加藤義章

理事長略歴

加藤義章(松尾学術振興財団第3代理事長:2025-)1965年東京大学工学部応用物理学課程物理工学科卒、1970年同大学院博士課程修了、工学博士。専門は量子エレクトロニクス。レーザー分光(トロント大学にて)、レーザー核融合(大阪大学レーザー核融合研究センター)、超高強度光科学(日本原子力研究所関西光科学研究所)等の研究、および起業人材育成(光産業創成大学院大学)に従事。現在は、光・フォトニクス国際会議(OPIC)開催を支援。1993年、高出力レーザー光ランダム位相化の研究により、米国物理学会プラズマ物理学術賞を受賞。2018年瑞宝中綬章受章。大阪大学名誉教授。